舞踏会場で談笑する紳士と娼婦

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舞踏会場で談笑する紳士と娼婦
舞踏会場で談笑する紳士と娼婦。1874年のサロンに出品されるも、あえなく落選してしまった本作に描かれるのは最も著名な歌劇場のひとつで、当時はル・プルティエ街に建てられていた≪旧オペラ座≫を舞台に開かれた仮面舞踏会の場面である。

旧オペラ座に集う人々の喧騒。本作に配されるシルクハットを被る男たちの群集構図には、画家が1865年に訪れたスペインで見たマニエリスム最大の画家エル・グレコ屈指の代表作『オルガス伯爵の埋葬』からの影響が一部の研究者や美術史家から指摘されている。

下半身のみ描かれるの女性の脚。本作のような風俗的主題を扱った作品の中にも画家の鋭い現実への洞察や、聖書や神話など正統的な主題への皮肉が示されており、『オルガス伯爵の埋葬』での聖人や教会を支えた有力者たちの集団は、当時のパリの現代化を支えた上流階級の人々と仮装した娼婦たちの姿に変え描かれていると解釈できる。



 
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